日中はまだ暑かったりしますが、夜は本格的に秋の虫の声が大きくなりましたね。

秋といえば、勉強会や学術大会が多く開催されるシーズン。

私が参加予定の秋の学会について、あれこれご説明してみようと思います!

 

コロナ禍が始まった当初から、学会も勉強会も続々とオンラインで行われることが増えました。

オンラインでの勉強は自宅でじっくり学べて、垣根無く深く情報収集できると感じます。

ママ業と両立もしやすくなり、私は当初この変革をもろ手を挙げて喜んでいました。

 

でもやっぱり。

【場に居合わせる】というのもかけがえないものだと思い直しつつあります。

 

学生の頃であれば、ところてん式に場が与えられ、多くの出会いに恵まれるものですよね。それに比べてアラフィフおばさんな私は、ただ自分のためだけに行動選択していると、何かが止まってしてしまう気がしています。

なので私はこの秋、2つの大切な学会に足を運んで現地参加すると決めました。

スーツを着て抄録集を抱えて、わざわざ出向く。久しぶりですからちょっとドキドキ、でもかなりワクワクしています。

 

 

まず。大阪で開催される日本矯正歯科学会の学術大会

秋の学会

日本矯正歯科学会は歯科矯正学を専門とする、日本で最大の学術団体です。

私はこの学会の認定医という資格を持っています

この学会の専門医の資格もとりたいのですが、今制度の変わり目なので様子をみているところです。

 

 

研修医が日本矯正歯科学会の認定医になるには、学会の指定する研修機関に5年以上所属し、自分で直した症例をまとめ、研究発表や論文執筆などを行う必要があります。私が研修医だった当時は研修機関が大学病院のみ、つまり大学病院に少なくとも5年以上所属しないと申請できない資格でした。

大学病院の籍には限りがありますし、博士号といった立派な肩書に興味ゼロだった当時の私は、3年間大学病院に所属して治療法を学んだら、矯正専門クリニックで働くことにしました。

当時は、医局の矯正科で専門的に学んだドクターの中でも、認定医にならない選択をする人もちょくちょくいたと記憶しています。

 

私が医局の肩書がない状況で仕事をし始めたある時、1人の患者様にご迷惑をおかけすることが起こりました。私が「ただの歯医者」でしかないせいで、患者様を守れないことが起こるとは夢にも思いませんでした。

それをきっかけに肩書が大切だということを痛感し、そこから大学病院に再び籍を置かせてもらって、やっと認定医の資格を取得したという経緯があります。

 

認定医になるまで少し遠回りしたため、医局の先生方には長期間お世話になることになりました。しかしそのおかげで、いろいろと声をかけていただくチャンスにも恵まれ、何度も学会発表を行う機会に恵まれました。

認定医は5年毎に更新が必要な資格です。特に取得後最初の更新には、再度学会発表する必要があります。

更新の頃には医局からから遠のいてしまい、症例展示(症例を発表するやり方)で更新申請を行う先生も多い中、私は研究を続けていたため学術展示(研究を発表するやり方)で行うことにしました。さらにその研究がたまたま選ばれ、展示で申し込んだものが口頭発表になる機会にも恵まれました。

 

つまり日本矯正歯科学会の認定医であることは、私にとっても大きな意味を持っています。

今では認定医は、矯正医と名乗るための最低限の登竜門のごとく扱われる節がありますが、私にとっては当たり前ではない、思い出いっぱいの大切な資格です。

 

今やネットには、美容情報が溢れかえっています。そして歯列矯正は、「ただの歯医者」でも、格安セルフ矯正でも、できてしまう時代に変わりました。

真面目に勉強するドクターの勉強方法だって、オンラインで十分可能です。

でもだからこそ。

【場に居合わせる】意味合いも、ある意味明確になったといえるのかもしれません。

 

このブログをお読みの皆様が、オンラインで真面目に勉強したい場合。

日本矯正歯科学会では、どなたでもオンラインで見ることのできる「市民公開講座」を只今配信中です。今年は顎変形症について詳しく解説していますので、正しい情報が知りたい方はぜひご覧になってみてください。

 

そしてそして。この秋私が参加予定のもうひとつの学会、それは口腔筋機能(MFT)学会の学術大会です。

秋の学会

私が医局の研究チームに入っていた時期に直属の上司ではなかった先生が、なんと今になって声をかけてくださり、今年度より運営のお手伝いをさせていただいております。

こちらも私にとってはものすごい大役なんですが、私なりに精一杯取り組むつもりです。

 

私が医局にいた頃の研究テーマは、舌と歯並びの関係。舌機能が歯並びに及ぼす影響を、いろんな角度から調べていました。

舌は口の中の容積のうち、非常に大きい部分を占めています。でも舌って、レントゲンにはっきり映ってこないし、常に動いていて形が決まっていないので、はっきりと数値化するのが難しく、高度な論文になりにくい面があります。

さらにはその機能を調べる、というわけですからますます曖昧になってきます。そうとも言えるし、そうではないとも言える、というようなケースバイケースの条件ですぐいっぱいになってしまうんです。

 

それでも、舌機能の口腔内に与える影響は大きいことは、臨床現場でみんなが確信していること。

それをいろんな切り口で何とか解き明かしていこうというのが、この学会です。

私が医局にお世話になっていた頃に、この学会の前身のMFT研究会の創設が行われるのを目の当たりにしました。

博士号にはなりにくいテーマというところが、当時の私にとってはむしろおあつらえ向きだったんですね。それ以降ほぼ皆勤賞で、この学会に参加することになります。

そしてそんなちょうどハマっただけのイチ会員の私のことを、これまたちゃぁんと見てくれていた上司がいてくださり。この度とうとう運営側としてお仕事させていただけるようになって、本当に本当に光栄です。

こちらの学会もハリキって参加してまいります!!