「抜歯矯正をやって後悔している…」という声、SNSでも時々見かけますよね。この記事では、後悔した人に共通するパターンを5つにまとめました。

後悔の原因を深掘りしてみると、実は「抜いたこと自体」が問題だったケースは意外と少ないんです。歯列矯正治療を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

 

■ 共通点① SNSの情報をそのまま信じてしまった

最近はSNSで矯正に関する情報が簡単に手に入るようになりました。便利な反面、こんな極端な情報も少なくありません。

・「抜歯すると老ける」
・「抜歯すると口元がへこむ」
・「抜歯は絶対ダメ」

ネット上にはたくさんの情報がありますが、ひとりひとり症例ごとに骨格や歯並び、年齢、口元の特徴がすべて違ってきます。ある人に当てはまることが、あなたにそのまま当てはまるとは限りません。

抜いた歯を元に戻すことはできません。抜歯して矯正治療が始まってからSNSの情報を見て不安になり、「やっぱり抜かなければよかった」と感じる方もいます。他人の治療方針を気にするのではなく、まずはご自身の担当医から聞いた説明をベースに考えることが大切です。

【ポイント】SNSはあくまで参考程度に。担当医の説明を軸にして、不安なことはその場で直接聞きましょう。

■ 共通点② イメージと現実にギャップがあった

抜歯矯正では多くの場合、口元の印象が変化します。もともと前歯が前に出ている方なら、口元がすっきり見えるようになります。でも「もっと変わると思っていた」あるいは「思ったより変わりすぎた」と感じてしまうケースもあります。正しいかみ合わせの位置を勘違いしていて、ずれた位置で咬もうとする人もいます。

問題なのはイメージとのギャップです。よくあるのはこんなパターンです。

・Eラインが劇的に変わると思っていた
・芸能人のような横顔になると思っていた
・顔全体の印象まで変わると思っていた

矯正治療は魔法ではありません。美容整形でもありません。歯並びによって口元は二次的に変化しますが、別人のように変身しないことを、ちゃんと理解しておくことが大切です。

 

■ 共通点③ 治療中の変化に一人で不安を抱えていた

矯正治療は数か月では終わりません。そのため、治療中に不安が出てくることもよくあります。例えばこんな変化が途中で起こることがあります。

・前歯が一時的に出て見える
・抜歯スペースがなかなか閉じない
・噛みにくい時期がある

実はこうした変化は、治療過程でよく起こることです。でも誰にも相談できないと、「失敗しているのでは?」と感じてしまいます。

気になることがあれば、遠慮せず担当医に相談してみましょう。多くの場合、きちんとした理由があります。一人で抱え込まないことが大事です。

 

■ 共通点④ 治療のゴールと仕上がりの「感覚的なズレ」を知らなかった

一本も抜かずに凸凹を治すなら、外に広げて治すことになります。一方で抜いて歯の本数を減らす場合は、一回り小さく仕上げることになります。抜くか抜かないかどちらかしかなく、歯を半分だけ抜くというわけにはいきません。

「あとちょっとだけ外に出したい」「もう少し中に入れたい」という微妙な移動量と、抜歯によって達成される移動量には、大きな差があります。この感覚を理解していないと、「治らなかった」と感じやすくなります。

ワイヤーが外れると、見た目も食事のとり方もガラッと変わります。唇の位置や動かし方も変化して、終わる前に心配していた細かい点が気にならなくなる方がほとんどです。

■ 共通点⑤「抜歯したこと」自体が後悔の本当の原因ではなかった

実は「抜歯したこと」が後悔の原因ではないことも多いんです。後悔の原因を丁寧に分解してみると、こんな部分が関係していることが少なくありません。

・情報不足(治療方針についての理解が浅いまま進んでしまった)
・期待値のズレ(仕上がりのイメージが現実と合っていなかった)
・コミュニケーション不足(不安を伝えられないまま治療が進んだ)

つまり、「抜歯が正しい・非抜歯が正しい」という単純な話ではないということです。治療前の歯並びに慣れていて「正しい位置なのに見慣れない」と感じるパターンもあります。

大切なのは、その人の歯並びや骨格、口元のバランスに合った治療方法を選ぶこと。そのためには、担当医とのコミュニケーションが何より重要です。

【ポイント】治療のゴールについて、担当医にしっかり確認しておきましょう。「なぜこの位置が正しいのか」を理解しておくと、治療中の不安が大きく減ります。

 

■ まとめ

抜歯矯正で後悔した人に共通するのは、「抜歯そのもの」よりも、情報収集・期待値・コミュニケーションにおける課題であることがほとんどです。矯正治療は長い旅。担当医と良い関係を築いて、不安はその都度解消しながら進めていくのが、一番の近道です。

当院に勤務している歯科医師全員が所属している日本矯正歯科学会のホームページには、基本となる情報が載っています。参考にされてください。

「自分には抜歯と非抜歯どちらが向いているのか?」と一人で悩まずに、まずはご相談ください。あなたの骨格や歯並びに合ったプランを、一緒に考えましょう。