わが家の「夫婦でお散歩」が続いております。
先日は朝霞の黒目川沿いを歩いてみました。
日の光はとても温かく、水面もキラキラまぶしくて、春の訪れを嬉しく感じるんですが、
太陽が雲に覆われると、ついこないだまで肩を縮める寒さだったことを思い出します。
特にあてもなく川沿いをどんどん歩き続けると、突然現れたのが
使われていない水車。とてもきれいに展示されていました。
ここは車では通らない場所ですので、ウォーキングならではの発見ですね。
江戸から明治という大転換期にも、人の営みは続いていたんだなぁ~。
世界が混乱している今も、まさに時代の転換期といえるのかもしれないし、
なんとかみんなで乗り越えてくしかないよねぇ~。
まぁでも、転換期転換期って、きっといつでも言われてきたんだろうねぇ~。
などと、夫婦で話が広がっていきます。
最近Well-Beingという言葉に出会いました。対義語はWell-Doingなんだそうです。
予防医学研究者の石川善樹先生というお医者様が発信されているのを、耳にしたのがきっかけです。
私は矯正治療のことを、「美容」ではなく「予防医療」だととらえています。
賢そうな若いお医者様が、予防医学を一生懸命研究していらっしゃるというので、
私は興味を持ちました。
Doを訳すなら「する」。Beを訳すなら「いる」。
つまり
役割や責任を果たすべく「よく行動すること(Well-Doing)」と、
ただ自由に考えたり感じたりする「よく在ること(Well-Being)」。
充実した人生を送るためには、この2つのバランスが非常に大切なんだそうです。
例えば、若いころであればバリバリと勉強したり働いたりといったWell-Doingに多くの時間が割かれるものですが、
仲間ができ家族ができ年齢を重ねていくと、だんだんWell-Beingに傾いていくもの。
どのあたりに比重があるのか自分で自覚した上で、未来を構築しましょう。
という話でした。
そういわれて過去の自分を振り返ると。
一種のワーカホリック状態、と言うと聞こえは悪いんですが、
日々の矯正歯科臨床と我が家の子育てという、山積みになるばかりのタスクを、
ずっとこなし続けていないと不安になってしまう、という
のめり込みやすく夢中になりやすい体質でした。
他人のためならなんでもできるんですが、
時間を自分のためだけに使うことに対して、やたらと罪悪感みたいなものを感じていました。
そうやって外向きのアンテナばかり張り巡らせていたことで、
子育てと両立して数多くの研究や論文に関わる経験もさせていただくことができ、
それはそれでかけがえのないものだったと強く思います。
でも、最近では。
引き続き臨床・研究・子育ての各方面の足場は、大切に固めていきたいとは思いつつも。
「無目的な時間」というのも案外必要なんだなぁということが、少しずつわかってきました。
やるべきことをちょっと横に置いておいてでも、ただうろうろお散歩する。
それによってバランスがとれていくこともあるんだなぁと、実感しています。
ここのところの世の中は、世界を揺るがす大きなニュースばかり続いていますよね。
構築したつもりだった未来が、コロナや戦火で奪われてしまった方々を想いつつ。
Well-Beingでいられる平和というのは、
なかなかに有難いことで、大切にしていきたいこと。
これこそまちがいなく真理ですよね。