ゴールデンウィークをきっかけに、人に逢う機会も徐々に増えてきましたね。
私もここのところお久しぶりな友達に逢いました。
大学の同級生の女友達。医局時代から続く家族ぐるみの矯正仲間。主人の幼馴染。子供のママ友。。。
久々に友達と逢うと、やっぱりめちゃくちゃ楽しいですね!
五感で感じる時間って、やっぱりとても濃厚。
誰かと一緒に過ごすのってやっぱり何物にも変え難いんだなぁと、
しみじみ感じました。
友達と過ごすのが【ちょっと疲れるくらい楽しい】理由を、私なりに考察してみましました。
「長年の仲間と一緒に時間を過ごしてるつもりでも、
感じ方・受け取り方って少しずつ違ったりもする。
安心感のなかでたくさんお話しして擦り合わせると、
何にも変え難い前向きな時間になる!」
こんな感じかなぁと思っています。
さてここでは。私なりのこの結論を、医療にも当てはめてみようと思います。
【歯ならびをきれいにしたい!】
この共通の目標に向かって、私たちと患者様とで時間を共有するのが矯正治療です。
私たちは患者様に信頼していただけるような技術を持ち、
安心感のある治療を受けていただきたいと思っています。
歯ならびをよくする方法は、世の中にたくさんすぎるくらいある訳ですから、
数ある方法の中から当院を選んでいただいた、というだけでも、
価値観が共有できそうで、ワクワクしますよね。
そうして初めてご来院いただいたとしても、急に治療が始まることはありません。
初めてのご来院の際、またその後の検査結果のご説明の際、
私たちはたくさんお話をさせていただきます。
お互いの価値観のすり合わせに明るい未来を感じることができたら、
ようやく治療スタートとなるわけです。
少なくとも当院では、
よくわからない間に治療が始まっている、といったことは絶対にありません。
そうやって、お互いの信頼感を十分確認したうえで治療が始まったとしても、
後から患者様にとって気になることが出てくるのも当然のことです。
そういった場合には、いつでもスタッフにお尋ねいただけたらと思います。
患者様ご自身の中から生まれる言葉に、嘘や間違いがあるわけがありません。
ただ、玉石混交の情報や思い込みによって、
シンプルだった患者様の言葉が、いつの間にかいびつに膨らんでしまっていることがあります。
何か知りたいことがあったら、私たちにぜひ直接お尋ねいただきたいです。
安心感をベースにした「ちょっとしたすり合わせ」は、
より一層の信頼感を育むことにつながるはずです。
EBM(Evidence Based Medicine)という言葉を聞いたことはありますか?
「科学的根拠(エビデンス)」を重視した医療を行おうという考え方です。
医療がEBMだけで解決するのであれば、人がやるよりAIがやる方がより良い医療となるでしょう。
EBMに対する言葉として、NBM(Narrative Based Medicine)という言葉があります。
「物語りと対話に基づく医療」。つまり、患者様によって語られる「物語」から、問題を全人的(身体的、精神・心理的、社会的)にアプローチしようという考え方です。
医療は人が人を治します。人と人との関係性で成り立っていると、私は思います。
だからこそ。身体の悩みを解決するはずの医療が、
いつの間にか新たな悩みを増やしてることって、よくあるんですよね。
医療を受ける側も行う側も【安心感の中でたくさんお話しする】ということが、
良い医療につながるのではないか、というのが私の結論です。
矯正治療は、年単位の気長な取り組みです。
長期間におよぶお付き合いの中で、たくさんすり合わせていくことができれば、
心も身体も本当の意味で健全になっていくのでしょう。